日々のヒラメキ

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売り方の変化―ちょっとだけ書店進化論

date  2014.11.28

こと文庫本について、重度の活字中毒患者から言わせてもらえば、

年々面白い本が減って来ているように感じる。

 

‘面白い’とは、出来不出来とか映像化とか中毒性があるとかと いうのではなく、
その時代のなかでガツンと衝撃を感じるような作品のことだ。

例えはあまり良くないかも知れないが、

1993年に文庫化された
鈴木光司の『リング』を読んだ時は衝撃的だった。

 

だから、リングに続く『らせん』『エス』など一連のシリーズが、日本ばかりかハリウッドでも映画化され、
ついこないだまで『貞子』関連の映像作品が、長くマーケットを賑わせていたことも至極納得のことだった。

 

 

今そんなインパクトを感じるような文庫本に
出会うことはほとんど無い。

 

リリース自体は、新潮・文春・角川といった大手からは毎月20冊ほどと量はあるのだが、
総じて小粒だし、エンタメとしても衝撃を感じることもない。

そんななかで最近、

文庫新刊コーナーの陳列の仕方が
少し変わってきたように感じている。

 

当然、ある程度空間に余裕のある大型店に限られるのだが、
新刊と一緒にヘビーローテーション的な、多分、爆発的ではないけれど
少しずつ長く売れている文庫本を同時に並べるようになって来ているのだ。

書店推しなのか、出版社プロモーションなのか、はっきりしないけれど、
次月度の新刊が出ても居座っている作品がコーナーの中にある。
映像化作品は、それだけで1ジャンルが作られているので、
そうではなく 「ジワジワ来てるよ」「きっと来るよ」的な存在なのだろうか。

明治~昭和の内外の文豪の名作を、
マンガやデザイン・イラストで表紙カバーを レストアする手法もあったりで、

新潮文庫の夏目漱石の『こころ』は今年なんと

186刷で累計701万部を記録したらしい。

 

ネットのレビューなどのロングテール効果もあるのだろうが、
やみくもに新製品を売り込むのではなく、

月日の流れに押されずに、

残るような作品をレコメンドする方法が有効だと
書店側も思っているのではないだろうか。

 

買う側も、もう消費する一方ではなく、

心に残る買い物をしたいと考えているのかも知れない。

 

この現象が単行本ではなく、さりとて電子書籍でもなく、
文庫本で起こっているというところが興味深い。

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最後に、目にしてから随分と久しぶりに平積みされていた文庫を紹介したい。

『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』

幻冬舎文庫。

 

平成18年刊7刷。
単行本は平成14年刊の作品だ。

 

 

Kikuchi

 


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