日々のヒラメキ

輸送

「送料無料…」、を考える。

date  2015.02.18

2月16日の内閣府発表では、昨年10~12月のGDP速報値は、

実質の年換算で3四半期ぶりのプラスで2.2%増。

またGDPデフレーターは、前年比で1.6%上昇したとのこと。

そして同日の日経平均株価は、7年7か月ぶりに終値で18000円台を回復。

 

毎日のように世界中で起こるさまざまな事象に、プラスマイナスの影響を受ける経済。

それらを読み切って未来を予測するのは、専門家であっても至難の業。

リスクの幅を設定しても、想定外のことが起きれば対応は難しいものですし、

だからと言って、必要以上にリスクを意識すれば、スピードが鈍って周回遅れになりかねない。

 

本当に難しい時代だなー、とつくづく思います。

 

そんな中で、米アマゾン社がそのサービスを始めてから20年を迎えるらしい。

そこで「送料無料というサービス」について、少し考えてみることに。

 

スーパーマーケットでお買物をするときは、売場で欲しい商品をピックアップして

レジまで自分で運び、精算を済ませた後、自宅まで持ち帰るというセルフサービスが主流です。

日本では、1953年に東京・青山に開店した紀ノ国屋が初めて導入。

今では当たり前になったことだけど、当時は画期的な方式だったらしい。

 

それまでは、客は店員と会話・相談しながら商品を選定・購入するのが基本形で、

来店~購入まで時間がかかるし、客が多ければそれだけ店員も必要になり、

そのコストは当然商品価格に反映されることとなるわけです。

 

さて時代は変わって2015年。

インターネットでモノを買うことが当たり前になり、その先頭をひた走るアマゾン。

言わずと知れた、売上10兆5000億円超(2014年)という巨大IT企業です。

(ちなみに300億円近くの赤字だそうですが…)

 

しかし、ちょっと乱暴なことは承知のうえで…

その仕組みや規模はさておき、モノを売って代金をいただき、

その利ザヤで運営するという点ではスーパーマーケットと大差ない、というかほぼ同じ。

 

インターネットでモノを買ったとき、

商品が在庫されている倉庫から購入者のもとに配達されてくるわけですが、

アマゾンがそうであるように、ほとんどのネット販売では所謂「送料無料」が主流。

翌日どころか当日に届いたり、時間帯を指定できたり。

さらに、指定したはずなのにその時間にいなくても、あらためて決めた時間に届けてくれる。

こんな至れり尽くせりの配送システムが、無料で成り立つはずがない。

 

日本では、「サービス」と言うと「タダ(無料)」と同義語と捉えられる傾向があるようですが、

本来はサービス毎にそれに見合った対価が支払われて然るべき。

物流についても、毎日見かける宅急便のお兄さんたちは無給で奉仕しているわけじゃない。

ということは、昔ながらの商店同様にその費用は販売価格に含まれていて、

商品価格そのものが「送料込」として設定されているわけですよね。

 

お店まで取りに行ってテイクアウトすれば、1枚おまけにもらえるピザ屋さんがありますが、

ピザ1枚の費用より、客のところに届ける費用の方が高いというわけです。

 

ここで勘違いしてはいけないことは、送料はサービス(無料)ではない、という事実です。

物流、運送、配達といった事業は、おまけではないということです。

このことを私たちこの国の生活者は、今一度考えなければならないような気がします。

 

大きさや重さや、数量や距離、冷やさないと腐るモノ、ワレモノかどうか等々、

さまざまなファクターによって物流にかかる費用は異なって当然です。

そのための施設や道具も必要になります。

 

ここでお断りしておきますが、決して父親が運送会社を経営しているわけではありません(笑)

 

ネット販売=送料無料 ということが常識化してしまうことは、

弱小な新規参入者を排除することに繋がってしまうのではないか、という危機感です。

近所のお店が全部アマゾンになったのでは、ちょっと怖いですよね。

 

昨年4月の消費増税以降、多くのスーパーマーケットは本体価格表示を採用しています。

客としては「全部でいくら」という総額表示の方がわかりやすいのは事実ですが、

それではいったいいくらの税金を納めたのか、がぼんやりしてしまいます。

商品自体の価格はいくらで、税金がいくら。

税金というのは、国や自治体が住民に対してさまざまなサービスを提供するための原資です。

 

サービスが決して無料ではないこと。

そしてそれにどれくらいの費用がかかっていて、どれくらい負担しているのかを明確にすること。

これは公平な競争を促すうえで、非常に重要なポイントであるように思います。

 

私)同じタダなら、当日配送にしよう!

  でも用事を忘れていたから出かけよう!

  どうせタダで再配達してくれるんだし…。

 

このことによって費やされる配送労力は、相当な量(コスト)になるはずですし、

エコの観点からも、こんな無駄は省かれるべきです。

 

もちろんコスト(費用)は低減する努力が為されなければなりませんが、

「かかるものはかかる」わけで、

体力で吸収できるかどうかが問われるのであれば、小は大に敵いません。

 

ましてや「無料」の仕事に従事する人々のモチベーションや誇りはどうなるのか。

 

本当に難しい時代だなー、とつくづく思います。

 

 

nofuji.


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